コラム

帰化申請の要件とは?

帰化申請とは
帰化申請とは、外国の国籍を喪失して日本国籍を取得する手続きのことです。
国籍法第4条第1項によれば「外国人は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる。」となっています。永住は許可取得後も外国人のままであるのに対し、帰化は外国の国籍を喪失して新たに日本国籍を取得することで、完全に日本人になる点が大きく異なります。
帰化と永住の違い
こちらのページにてご参照ください。
帰化の要件とは
①引き続き5年以上日本に住所を有すること(住所要件)
住所というのは、「生活の本拠」(民法22条)のことです。単なる居所は含まれません。5年間に中断期間があるとこの条件を満たさないことになります。つまり、5年間は連続して日本に住民票上の住所登録をし、そこで生活をしていることが要求されます。
だたし、この間の短期間の旅行は、問題なく行えます。短期間の旅行といえども、あまりにも旅行回数が多い場合は注意する必要があります。
※1年間の旅行総日数が50日を越えるような場合には、場合によっては問題となるケースがございますので、事前に当事務所への相談をおすすめいたします。
●日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの(国籍法6条1号)
●日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く)が日本で生まれたもの(で現に日本に住所を有するもの)(国籍法6条2号)
●引き続き10年以上日本に居所を有する者(で現に日本に住所を有するもの)(国籍法6条3号)
●日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(国籍法7条)
●日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの(国籍法7条)
●日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条1号)
●日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの(国籍法8条2号)
●日本の国籍を失った者(日本に帰化した後、日本の国籍を失った者を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条3号)
●日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの(国籍法8条4号)
●日本に特別の功労のある外国人(国籍法9条)
②20歳以上で本国法によって能力を有すること(年齢要件)
20歳未満の方は、原則として単独での帰化申請を行うことは認められておりません。その場合でも、親と一緒に共同で帰化申請をすることは可能です。
ここで注意するべき点は、たとえ20歳以上であっても、その方の本国方で、23歳以下は、未成年と扱うと法定されている場合には、帰化申請を行うことができませんので、注意が必要となります。
※中国では、日本の民法規定とほぼ同じ規定となっておりますのでご安心ください。
●日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(国籍法7条)
●日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの(国籍法7条)
●日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条1号)
●日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの(国籍法8条2号)
●日本の国籍を失った者(日本に帰化した後、日本の国籍を失った者を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条3号)
●日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの(国籍法8条4号)
③素行が善良であること(素行要件)
通常の日本人と比較しても劣らない程度の生活を送っていれば、特に問題はありません。
前科・犯罪歴、適切な所得申告・納税義務違反など注意が必要です。
前科・犯罪歴の内容にもよりますが、5年~10年程度、昔のことであったりする場合には、問題がない場合もあります。
シートベルトや駐車違反などの軽度の違反程度であれば、特に問題ありませんが、軽度の違反行為であってもあまりにも回数が多い場合や、酒気帯びなどで免許停止処分を受けていると審査に大きく影響することもありますので、注意が必要です。
復権後、7年が経過すれば帰化できるようになります。
所得税や住民税、会社経営者であれば法人税、法人事業税などで、未納の部分があれば、完納しておく必要があります。
申請者の親族に犯罪歴所持者がいる場合も、基本的には帰化申請の審査に影響はありません。 帰化申請の審査で問われるのは、あくまでも「申請者本人の素行」であること。

ただし、身近な親族に暴力団(反社会的勢力を含む)と関わる者がいる場合には、例え同居していなくても、状況によっては不許可になる可能性があるため、帰化申請を行う場合は、その親族と全く関りがないことを証明する必要があります。
④自己または生計を一つにする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること(収入要件)
この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので,申請者自身に収入がなくても,配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば,この条件を満たすこととなります。
雇用形態に関わりません(正社員、契約社員または派遣社員など)。ただし、現在失業中で無職の申請者は、仕事を見つけてから帰化申請を考えるべきです。収入の目安としては月給18万円以上あることが望ましいです。
会社経営者の方の役員報酬は毎月20万円くらいでも許可が下りている事例があります。
貯金の有無及び金額は帰化申請に大きな関係がありません。帰化を申請する前に、親や親族からお金を借りて貯金を多く見せる方法がありますが、そのような行為は一切メリットがありません。また、自宅に関しても持家だから有利、賃貸だから不利といったこともありません。
借金について、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードなどの借入れがあったとしても返済を滞りなくしていれば問題ありません。
●日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条1号)
●日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの(国籍法8条2号)
●日本の国籍を失った者(日本に帰化した後、日本の国籍を失った者を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法8条3号)
●日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの(国籍法8条4号)
⑤国籍を有せず、または日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(重国籍防止条件)
帰化しようとする方は,無国籍であるか,原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。中国籍の場合には、自動離脱規定はありませんので、あらかじめ国籍離脱を宣言するお手続きが必要となります。

ただし,本人の意思によって本国の国籍を喪失することができない場合については,この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。
⑥日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、もしくは主張し、またはこれを企て、もしくは主張する政党その他の団体を結成し、もしくはこれに加入したことがないこと(憲法遵守条件)
日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
⑦その他、帰化をしようとする外国人申請者は、小学校3年生程度の日本語の読み書き・理解・会話などの能力が必要です。