コラム
高度専門職ビザとは?
高度専門職ビザとは?
日本の経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人(高度外国人材)の受入れを促進するために設けられた在留資格(ビザ)です。
高度外国人材を積極的に受け入れるために、高度専門職ビザには、在留期間「5年」(高度専門職2号は「無期限」)の付与や複合的な在留活動が許容されるなど、たくさんの優遇措置があります。
また、高度専門職ビザの入国・在留手続は優先的に処理されるため、受入れ企業側にとってもメリットがあると言えます。
出入国在留管理庁の資料によりますと、令和4年6月末時点で3万4,726人の外国人が高度専門職ビザで在留していることを発表しました。
以下の表をご覧ください。
高度専門職1号
高度専門職ビザは、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」に大別されます。
高度専門職1号は活動内容に応じて、さらにイ・ロ・ハに分類されます。
高度専門職1号に該当する職種と具体例は、以下の通りです。
高度専門職1号イ |
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高度学術研究と呼ばれ、日本の公的機関や民間企業等との契約に基づいて行う研究、研究の指導または教育をする活動が該当します。 例 : 大学の教授や研究者等。 |
高度専門職1号ロ |
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高度専門・技術と呼ばれ、日本の公的機関や民間企業等との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識または技術を要する業務に従事する活動が該当します。 例 : 企業で新製品の開発等を行う者、国際弁護士等。 |
高度専門職1号ハ |
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高度経営・管理と呼ばれ、日本の公的機関や民間企業等において事業の経営を行いまたは管理に従事する活動が該当します。 例 : グローバルな事業展開を行う企業等の経営者等。 |
上記のように、高度専門職1号は他のビザとは異なり、複合的な在留活動が許容されている点に特徴があります。
また、在留期間は現行の制度で最長の「5年」が一律に付与されます。
これは安定的に高度外国人材を雇用する企業側にとってもメリットとなります。
高度専門職2号
高度専門職1号で3年以上活動を行っていた方が対象になります。また、高度専門職1号の活動と併せてほとんどすべての就労活動を行うことができます。
具体的には、高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれか、またはこれらの複数の活動と併せて以下のビザで認められる活動も行うことができます。
※「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「法律・会計業務」、「医療」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能2号」のビザに対応する活動。
高度専門職2号のビザの在留期間が「無期限」となり、転職の制限もありませんので、変更許可申請が不要です。また、複数のビザにまたがる活動ができる点に特徴があります。
高度専門職ビザの特徴
①入国・在留手続の優先処理
申請から10日間(実際2~3週間)の迅速な審査
※通常の審査は90~180日
②最初から5年の在留期間が付与される
※通常初年度は1年
③配偶者の就労が可能
④一定の条件の下での親の帯同が可能
⑤一定の条件の下での家事使用人の雇用が可能
⑥在留歴に係る永住許可要件の緩和
70ポイント以上 3年以上の居住
80ポイント以上 1年以上の居住
特別高度人材 1年以上の居住
※通常は10年以上の在住および5年以上の就労が要件
※特別高度人材は上記の優遇措置に加えてプライオリティレーンの使用が可能
高度専門職ビザ1号と2号の比較
高度専門職1号 | 高度専門職2号 | 高度専門職1号 特別高度人材 | 高度専門職2号 特別高度人材 | |
在留期間 | 5年 | 無期限 | 5年 | 無期限 |
転職活動 | ✕ (再申請が必要) | ◯ | ✕ (再申請が必要) | ◯ |
永住許可要件の 緩和 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
配偶者の就労 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
親の帯同※ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
家事使用人の帯同※ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
入国・在留手続の優先処理 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
プライオリティレーンの使用 | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ |
高度専門職1号特別高度人材及び高度専門職2号特別高度人材の概要はこちらです。