コラム

高度専門職ビザのポイント制度とは?

高度専門職ビザのポイント制度とは?

高度専門職1号または2号に対応する活動を行うことにより、高度専門職ビザを取得することができます。
なお、「ポイント計算表」により一定点数をクリアする必要があります、これを「高度人材ポイント制」と呼びます。
高度人材ポイント制は、就労ビザを取得できる外国人の中で特に優れた人材を様々な優遇措置を受けられる制度です。
就労ビザの決定の対象となる外国人の中で、「学歴」・「職歴」・「年収」・「国家資格」・「日本語能力」等の項目ごとにポイントを付け、その合計が70点以上に達した人が高度外国人材と認められ、「高度専門職ビザ」が付与されることになります。
なお、高度外国人材として在留している期間、常に70点以上を維持することまでは求められていません。
しかし、在留期間更新許可申請時にポイントの合計が70点に満たない場合には、高度専門職ビザの在留期間更新許可を受けることができないことについては、ご注意ください。
以下は、出入国在留管理庁が公表しているポイント計算表の概要です。
以下では、ポイント計算表の各項目について補足の説明をしていきます。
「大学」には短期大学が含まれます。

高等専門学校を卒業した方、専修学校の専門課程を卒業した方(「高度専門士」)は「大学と同等以上の教育を受けた者」として取り扱われ、これらは学歴ポイントの対象となります。

他方、専修学校の専門課程を修了して「専門士」の称号を受けた方については、学歴ポイントの対象とはなりません。
職歴として認められるのは、従事する業務についての実務経験年数に限ります。
高度外国人材と認定されるためには、ポイントの合計が70点以上であることが必要ですが、高度専門・技術活動(「高度専門職 1 号ロ」)及び高度経営・管理活動(「高度専門職 1 号ハ」)については、年収が「300万円」に達しない場合、仮に他の項目によりポイントの合計が70点を超えていたとしても、高度外国人材と認定されません。

また、ポイント計算表の年収は、過去の年収ではなくこれから高度専門職ビザでの活動をすることにより得られる予定の年収を意味します。

基本給のほか、ボーナス(賞与)、勤勉手当、調整手当等が含まれますが、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く)は含まれません。

残業代については、超過勤務手当は、一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付ですが、入国時点
においてどの程度の超過勤務が生ずるかは不確かであることから、ポイント計算の「年収」には含まれません。

※定額の残業代(固定残業代)については、残業の有無にかかわらず、あらかじめ割増賃金を一定額、固定して支払う残業代であるため、ポイント計算表の年収には含まれます。
年齢が若いことは、高度外国人材としての能力・資質を示すものではありませんが、日本企業では年功序列的な賃金体系が残っており、若年層はなかなか高収入を得ることができません。

その結果、年収ポイントで高得点を期待することが難しくなり、結果的に年齢が若いことが不利に働くことになるため、これを補正するために年齢に応じてポイントが付与されています。
発明者として特許を受けた発明が1件以上ある場合や、学術論文データベースに登載されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上ある場合、その他一定の研究実績をもとにポイントが付与されます。
国家資格としてポイント付与の対象となるのは、「業務独占資格」及び「名称独占資格」といわれるものがポイント付与の対象となります。

これらの国家資格は、単に試験によって知識や技能が一定の段階以上に達していることを確認・証明されたというにとどまらず、当該資格を有しなければ当該資格に係る業務を行うことができず、あるいは当該資格を有することを示す呼称を使うことができないものであって、他の資格と異なる法的位置付けがなされているものです。

具体的には、弁護士・医師・公認会計士や、技術士・計量士などがあります。
特別加算項目について、実務上お問い合わせの多い項目と新たに特別加算の項目に加わった金融人材についてご説明します。

まず、日本の大学を卒業または大学院の課程を修了することでポイントが付与されます。また、日本語専攻で外国の大学を卒業または日本語能力試験N2合格以上でポイントが付与されます。

そのため、日本語の大学を卒業して、N1合格をしていると高度専門職ビザにかなり近づきます。
次に、出入国在留管理庁が公表する以下の一覧に掲げる大学を卒業した方については、ポイントが加算されます。
世界大学ランキングに基づき加点対象となる大学一覧
スーパーグローバル大学創成支援事業
外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業において「パートナー校」として指定を受けている大学

最後に、高度専門職1号ロ(高度専門・技術)及び高度専門職1号ハ(高度経営・管理)を行う高度外国人材のうち、金融商品取引法に規定する第二種金融商品取引業、投資助言・代理業または投資運用業に係る業務を行う方については、新たに高度人材ポイント制の特別加算の対象となりました。